血と汗と銃弾!香港ノワール映画の世界

Murade

どうも、Muddy Days ムラデです。
香港映画といえば、みんなは何を思い浮かべるだろうか?
ブルース・リーやジャッキー・チェンのカンフー映画を思い浮かべる人もいれば、ウォン・カーウェイ監督の、”恋する惑星”とか、”欲望の翼”のような煌びやかな街並み、現代カルチャーにも通ずるタッチの青春群像劇を思い浮かべる人もいると思う。

今回は80年代以降の香港映画イメージを激変させた”香港ノワール”と呼ばれる、血と銃弾、漢たちの汗にまみれた香港の任侠映画ムーブメントについて紹介したい。
今回はそんな香港ノワールの中から個人的に好きな4作をピックアップして紹介したい。

・男たちの挽歌

1986年に公開された、世界で香港ノワール映画のムーブメントを引き起こした爆心地であり、香港ノワール、ひいては人によっては香港映画のナンバー1に挙げる人も多い”男たちの挽歌”をまず紹介したい。

簡単なあらすじを説明すると、ある一つの失敗により落ちぶれた2人のマフィアと、そのうち1人の実弟で警察官の3人が、立場は違えど、もう一度返り咲くために兄弟愛と友情をスパークさせながら銃をぶっ放しまくるというストーリーである。
監督は、のちにMI:2やフェイスオフなどのハリウッド英語も手掛けるようになるジョン・ウー監督。
この映画で命知らずのマークを演じたチョウ・ユンファ兄貴(劇団ひとりにそっくり!)はスーパーブレイクを果たし、今では香港映画のレジェンド俳優に名を連ねているほど。
とにかく銃撃戦がすごい。以下のシーンとか、(若干ネタバレかもなので気になる人は見ない事をおすすめする)。
この映画では弾切れという概念が基本的に存在しないのであり得ないぐらい打ちまくる。

あとチョウ・ユンファの2丁拳銃は後続のアクション映画、アニメなどで挙げるとキリがないくらいオマージュされてる。(代表的なところで言うと、海外映画だとレジェンド・オブ・メキシコ/デスペラードとかマトリックス、日本だと主にアニメでブラックラグーンとかが有名。)
全編もろアテレコだったり、要所要所でいちいち男臭い音楽が流れたり若干チープな作りなのもこの映画の面白さに一役買っていると思う。
まずはこの映画から観てもらって、香港ノワールの世界に没入してほしいと思う。

・男たちの挽歌2

前述の漢たちの挽歌の第2作目。1989年公開。
キャストは前回とほぼ一緒で、こちらも第1作目に負けじと名作である。

ストーリーは若干とっ散らかっていて第1作目と比べてやや脚本が劣る点は否めないのであるが、なんと言ってもラストシーン。
シリーズ史上最大の銃乱射シーンがあまりにも凄すぎて、そのシーンだけでも観る価値があると思う。3人対100人ぐらいのありえないぐらい不利な戦いに自ら挑んでいく主人公一行が余りにもかっこ良すぎる。(下記そのシーンの一部始終なんだけど、ネタバレにもなるので注意。)

ラストシーンがあまりにもカッコ良すぎるので是非前作と合わせて観てほしい。
ちなみに2019年に韓国で大ヒットした映画”エクストリーム・ジョブ”でもこの映画のラストシーンをそっくりそのままオマージュしており、近年でも映像クリエイターにリスペクトされている映画の1つである。

・ハードボイルド

“男たちの挽歌”でスターダムにのし上がったチョウ・ユンファと、ウォン・カーウァイ映画の常連でもあるトニー・レオンのW主演という贅沢なアクション映画。監督は上述の映画と同様ジョン・ウー。1992年公開。
予告から既に伝わる火薬炸裂具合がヤバい。

この映画、自分が観た中でもトップクラスで人が死んでると思う。
YouTubeに劇中で死んだ人の数をカウントする動画もあるくらい。なんと320人も死んでる。※若干ネタバレ入っているので注意

クライマックスの病院のシーンでの銃撃戦は1億発ぐらい撃ってる気がする。火薬量で言えばこれに右に出る香港ノワールは無いような気がするので、是非チェックしてみて欲しい。

・エグザイル 絆

香港ノワールの巨匠、ジョニー・トー監督の名作。幼馴染だった5人がそれぞれの組織でヤクザになり、お互い殺し合う立場になってしまう運命を描いた血と汗と友情が銃弾と共に炸裂する映画である。
2006年公開の映画で、上記3映画と比べて時代的に新しめ。

ジョニー・トー監督の映画は極端にセリフが少ない。各登場人物の関係や背景があまりしっかりと描写されないんだけど、各キャラクターがしっかりキャラ立ちしてるところが凄い。映画の中の時間の流れがとてもゆったりとしていて、バイオレンスで血生臭いのに不思議な心地良さがある。北野武監督のソナチネとか、そのあたりと似たような雰囲気を感じる。上述の3作と合わせてこちらもみんなに観てほしい。

香港ノワール作品で描かれる熱い友情と壮絶な戦いを通して、きっと何かしら感じとれるものがあると思う。まずは”男たちの挽歌”からトライしてみて、この世界を楽しんでもらいたい。

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