深淵なるストーナームービーの世界へようこそ

Murade

どうも。Muddy Daysという湿地帯を爆速するオルタナティブロックチームでボーカルやってるムラデです。

俺は映画観るのが好きで、特にホラーやB級モノ、色モノみたいな下らないものを専門に観ているフシがあるんだけど、その中でも下らなさの中に眠る深淵たる、魂の解放を感じられる”ストーナームービー”をみんなに紹介したい。

そもそもストーナームービーって
ストーナームービーは、マリファナの娯楽的な使用からストーリーが展開していく、コメディ映画のサブジャンルの1つ。
話は下らないし、映画的な芸術性も殆ど無く(ものによるが)、まともな登場人物が殆どいないため、大抵グダグダした展開に、、こう言うと「何が面白いの?」と突っ込まれそうだが、酒やタバコ、ピザをやりながら仲間と鑑賞し、みんなが帰った後映画の内容なんて何一つ覚えてないのだが、間違いなくあの瞬間が仲間との楽しいひとときであったと後で思える。これがストーナームービーの魅力だ。

そんな中から、みんなに観てほしいストーナームービーを5つ紹介するよ。

ビルとテッドの大冒険
(原題: Bill & Ted’s Excellent Adventure)

1989年に公開されたSFコメディ映画。
ビルとテッドというロックに憧れるアホな高校生が、歴史の授業の研究発表次第で落第させられてしまうという危機的状況に陥る。
そんな彼らの前に未来人が現れ、彼らの落第を防ぐために電話ボックス型のタイムマシンを提供してくれる事となる。
彼らが考えたタイムマシンを駆使した歴史の研究発表を乗り越える作戦は、なんと歴史上の偉人を拉致して現代に連れて帰り、研究発表をさせるという空前絶後のおったまげ作戦。
ビリー・ザ・キッド、ソクラテス、リンカーン等の偉人を各時代から拉致しまくる様は爆笑もの。
2人のの思考ロジックはあまりに読めないのでしがみつくだけ無駄。手を離して虚空に投げ飛ばされて、感じる事に徹するのが鑑賞する上でのポイント。まさにストーナームービー。クライマックスは謎に感動するというおまけ付き。ブレイク前の青年期のキアヌ・リーブスの姿も今となっては貴重。
この後続編も制作されており、実は2020年に約30年ぶりとなる3作目が公開されていたりするので是非観てみては如何だろうか。

チーチ&チョン/スモーキング作戦
(原題: Up in Smoke)

70~80年代にかけて活躍したコメディアン、チーチ&チョンがロックバンド結成のための資金稼ぎのためにマリファナを探し求めるロードムービー。1978年公開。
チーチ&チョンは見た目がとてもアイコニックなので、服にプリントされていたり、メキシコ料理店によくステッカー貼ってあったりマリファナ文化の象徴でもある気がする。
常にハイな状態で繰り広げられるドタバタ珍道中がストーリーのメインで、中でもマリファナの密輸団が作った、エンジン以外はマリファナでできている緑色のバンで爆速するシーンは爆笑不可避。
ラストでバンドメンバーを率いたチーチ&チョンがマリファナの煙に覆われたステージで演奏するシーンはまるでマリファナ讃美歌のよう。
マリファナはもちろん日本だと違法だけど、「やったみたらこんな感じなのかな」を体感できる映画だと思う。ストーナーは単にマリファナやってる人の事だけではなく、そのイージーなバイブスを1人の人間として/カルチャーとして感じ取れる人の事も指す言葉だと思う。
せわしない現代でも、どっしりと自分の時間感覚をキープしてピースフルに生きていたいね。

バッド・チューニング
(原題: Dazed and Confused)

1993年に公開された、アメリカの片田舎の高校生の青春群像劇。
70年代のテキサスを舞台に、高校生達の夏休み初夜のパーティーを計画する様子が描かれており、劇中ずっと70sロックの名曲が流れているんだけど、確か製作費の殆どがこれらの楽曲使用料に消えていったという逸話があったような・・・
ブレイク前のマシュー・マコノヒーやベン・アフレック、ミラ・ジョボビッチなどが出演しており、今思えばスーパー豪華キャスト映画なのである。
基本的に酒とドラッグが常に蔓延した環境で全員終始トんでいるんだけど、ドライで軽快なタッチで描かれているため気持ち良く観れる。
ストーリーはあるようでないんだけれども、随所にグッとくる青春の煌めきを感じさせるセリフもあり、なかなか一筋縄ではいかない素晴らしい映画だと思う。
この映画が面白いと感じたら、同監督の”エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に”もハマると思うので是非。

ビー・バッド・ボーイズ
(原題: How High)

ウータン・クランのメンバーであるメソッドマンと、EPMDのメンバーでソロとしても活動しているレッドマンの現役ラッパーのダブル主演作。2001年公開。
偶然大学試験前に知り合った2人は、試験直前にマリファナを吸った事によって亡くなった親友の霊が見えるようになり、テストの答えを全て親友の霊から教えてもらい、なぜかハーバード大学に現役合格してしまう。(謎)
ハーバード大学で2人がマリファナを吸いながら暴れ回るのが主なストーリーなんだけど、次々と起こる出来事が全く回収されない、登場人物にまともな人間が1人もいない、5分に1回はウィード吸っているという、まさにストーナームービー界の暴走機関車。服に刺繍された”BUFU”の意味や、ジョージ・ワシントンの墓を掘り起こすくだりは爆笑。
最強の強面ラッパーがこんな下らない映画出ているのも最高。クレイジーな気分になりたければ是非観てみてほしい。

ビッグ・リボウスキ
(原題:The Big Lebowski)

最後に紹介するのは個人的にはオールタイムベストムービーでもある、ビッグ・リボウスキ。1998年公開。
“ファーゴ”や”ノーカントリー”などで数々の映画賞を総ナメにしてきたコーエン兄弟の監督作品。
同姓同名の大金持ちと間違えられ、誘拐事件に巻き込まれた無職の男(通称:デュード)の騒動を描く。というのが主なストーリーなんだけど、こちらの映画もHow High同様、登場人物にまともな人間が誰もいないため、彼らが行う面白おかしい行動を俯瞰した立場でゲラゲラ笑いながら鑑賞する方法がオススメの楽しみ方。
公開当初はあまり人気がなかったらしいけど後々再評価され、現在も本国では根強い人気がある。
一見下らなさそうな映画なのに意外とストーリーは複雑で、1回観ただけじゃ理解しきれない面白さもある。
下らない中にもしっかりと会話劇は作り込まれており、映画的な芸術性も非常に高く、みんなアホなんだけど嫌いになれるキャラクターはいない、まさに”人間讃歌”とも言えるグッドムービー。

みんなも友達と一緒にビール片手にワイワイ観てみてはどうだろうか。ストーナームービーはマリファナやってる人のための映画ではなく、視覚的にそのフィーリングを体験出来る映画なのである。肩の力を抜いて、自分の中で流れる時間感覚をゆっくりにしてみては如何だろうか。

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